フィンガーピッキングは、ピックを使わず右手の指で弦を弾く奏法です。親指で低音、人差し指・中指・薬指で高音を弾く基本から始め、慣れてきたら弦を叩く音やボディヒッティングを加えると、アコースティックギター1本で表現の幅を広げられます。
この記事では、初心者が取り組みやすい右手の形、指の使い分け、短いパターン練習を先に解説し、後半でパーカッシブな奏法にも触れます。
フィンガーピッキングの基本
まずは右手の親指と指で弦を弾く基本を身につけましょう。弦を叩く音やボディを叩く音を加えるのは、一定のリズムで弾けるようになってからで十分です。
メロディーと伴奏を同時に演奏したり、ギターをパーカッションのように使ったりすることで、ギター1本でも立体的な演奏ができます。
押尾コータローさんの演奏などで知られる奏法にも、こうした右手の使い分けが取り入れられています。ただし、最初からすべてを同時に行う必要はありません。基本の手の形から少しずつ練習しましょう。
この奏法の3つのポイント
- 右手の親指、指、爪、手のひらを使い分ける
- 弦を弾く音と打音を組み合わせる
- 右手を弦の近くに置き、動きを小さくする
フィンガーピッキングで大切な「きつねの手」
右手は軽く丸め、親指と指を弦の近くに置きます。「きつねの手」は形を固めるためではなく、指を大きく振り回さず弾くための目安です。
中指と薬指の爪で弦を叩く奏法を使う場合、指を最初から大きく開いていると、弦を叩いたあとに元の位置へ戻しにくくなります。指を軽く丸めておくと、弦を弾く動作と叩く動作を切り替えやすくなります。
なぜ手の形が大切なのか
慣れてきたら、弦を弾く動作に弦を叩く音やボディを叩く音を加えられます。これらの応用奏法は基本のピッキングが安定してから、動作を分けて練習しましょう。
右手を軽く丸めて弦の近くに置いておくと、指を大きく動かさずに複数の動作へ移りやすくなります。強く握るのではなく、力を抜いた状態で形を保つことが大切です。
右手の各部位の使い方
フィンガーピッキングでは、右手の部位ごとに役割を分けて考えると理解しやすくなります。
| 右手の部位 | 主な使い方 |
|---|---|
| 親指 | 低音弦を弾く、ボディを軽く叩く |
| 親指の付け根 | ボディを叩くパーム奏法 |
| 人差し指・中指 | 高音弦を弾く、タッピングハーモニクスなど |
| 薬指・小指 | 高音弦を弾く、ボディを叩くアクセント |
| 手のひら側面 | ブリッジミュートや音の長さの調整 |
右手の内側を使う奏法
右手の内側では、親指の付け根でボディを叩いたり、手のひら側面で音を止めたりします。弦を弾く動作の合間に入れることで、演奏にリズムを加えられます。
ボディを叩くときは、強く打ちつけるのではなく、楽器が自然に響く位置を探してください。
右手の外側と爪の使い方
右手の外側では、指の爪を使って弦を弾きます。特に、親指の左側の爪や人差し指の右側を使うと、通常の指先とは違う角度で弦を弾けます。
中指、薬指、小指も爪を使って弦を弾きます。爪を深く当てすぎると引っかかりやすいため、弦に対して浅い角度で当てるところから練習しましょう。
フィンガーピッキング初心者におすすめの練習方法
まず親指で6弦・5弦・4弦を順番に弾き、次に人差し指で3弦、中指で2弦、薬指で1弦を弾いてみましょう。これは導入用の分かりやすい目安で、曲や楽譜によって担当する弦は変わります。クラシックギター譜などで使うPIMA表記では、Pが親指、Iが人差し指、Mが中指、Aが薬指を表します。小指は基本練習では無理に使わなくて構いません。音が小さくても、肩と手首の力を抜いて均等に鳴らすことを優先します。
弦を1本ずつ鳴らす基礎練習にはアルペジオの弾き方が役立ちます。打音を加える前に、メロディーと伴奏をゆっくり弾き分けられるようにしましょう。
- 右手をきつねの手の形にして、力を抜く
- 親指で低音弦、人差し指で高音弦をゆっくり弾く
- 中指と薬指で弦を軽く叩く動作を加える
- 親指の付け根でボディを軽く叩く
- メトロノームに合わせて、弾く・叩く・戻す動作を繰り返す
最初から曲を通して練習するのではなく、1小節程度の短いパターンを繰り返すと、右手の動きを確認しやすくなります。
うまくできないときの対処法
- 右手の指がうまく戻りません
- 指を大きく開きすぎている可能性があります。右手を軽く丸め、弦の近くで小さく動かしてください。
- 弦を叩く音が強くなりすぎます
- 力を入れすぎず、指を高く上げないようにします。音量よりも、弦を弾く音とのバランスを意識しましょう。
- いろいろな動作が混ざってしまいます
- 弦を弾く、弦を叩く、ボディを叩く動作を分けて練習してください。1つずつ安定してから組み合わせます。
練習するときの注意点
爪や指、手首に痛みが出た場合は、練習を中止して休憩してください。強く弾いたり叩いたりすることが上達への近道ではありません。
また、ボディを強く叩きすぎると楽器を傷める可能性があります。最初は小さな音で、無理のない動きから始めましょう。
まとめ|右手の形を意識して少しずつ練習しよう
フィンガーピッキングでは、右手の親指と各指で弦を弾き、慣れてから打音やミュートを組み合わせます。
特に、右手を軽く丸めた「きつねの手」の形を意識すると、弦を弾く動作と叩く動作を切り替えやすくなります。
まずは基本の手の形を作り、弦を弾く練習から始めてください。アルペジオの練習にはアルペジオの弾き方、ボディヒッティングの例はパームとボディヒッティングの解説も参考になります。











